ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
そんな俺が変わり始めたのが、大学の同期で親友の藤田亮平の結婚式だった。

藤田は俺と真逆の人生を送ってきたヤツだ。
生まれた時からずっと一緒にいる幼馴染の結衣子ちゃんに、一途な男だった。

藤田とは、入学してすぐに親しくなったが、ある事件をきっかけに、絶交の危機に陥った。

無理矢理連れて行った合コンで、俺がアイツにふざけてキスしたんだ。王様ゲームだったんだから、仕方がない。

けど、後で、藤田にはトラウマがあって、そのせいで口に入れるものに対して異常な潔癖があることを知った。
プロが作ったものか、彼女の結衣子ちゃんの手料理しか食べられない。
もちろん、キスも彼女としか出来ない。

俺に無理矢理キスされた後、吐くものが無くなっても吐き続けたらしく、さすがに大変なことをしてしまったとわかった。
俺は真摯に謝り、なんとか関係を修復出来た。
俺と話をするように、藤田を説得してくれた結衣子ちゃんには感謝だ。

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