ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
思い通りにならなかったのは、高3の冬くらいだろうか。
インフルエンザに倒れてセンター入試を受けられなかった。私立に行く気はなかったので、そこで浪人決定。あれは人生初の挫折だったかもしれない。
翌年、二浪を避けて、1つランクを落とし、公立大学の医学部に入学した。

今となっては、麗に出会えたから、一浪も良かったかもしれないと思う。

俺はスポーツマンらしくて爽やかだけど、ちょっと軽い、チャラいと言うのが、多勢の印象だ。
間違ってない。

実際、サッカーは真面目にやってきたけど、勉強はそこそこすれば出来たから、そんな苦もなかった。

学生時代はサッカー、女、勉強の順に優先順位を付けていた。
女の子は可愛い。
けど、大抵は俺のバックグラウンドを先にチェックする。
そんな女に魅力は感じず、中には真面目に付き合ってみようと思える子もいたけど、殆どはその場限りか、短期間の身体の関係だった。
それで良かった。

< 58 / 158 >

この作品をシェア

pagetop