ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
よくわかってるじゃないか。
安定期に入ったんだ。
こっちは待ちかねてたんだぞ!
まあ、毎日はさすがに身体に負担がかかるか?

「ねぇ!それより。
灯里ちゃんと彬良くんのことなんだけど…」

「…ん?あ、ああ。なに?」

やばい。
良からぬことを企んでるのがバレてしまう。
麗は鋭いからな。

「今日ね、ちょっとお昼休みに話したのよ…」

麗が話したのは、俺にとっても解せない内容だった。

「なんか、どう考えても誤解だと思うのよね。
だって、帰ってきてからの彬良くん、明らかに
灯里ちゃんを目で追ってるじゃない?
それに、昨日だって、院長室でキスしてたんでしょう?
元々付き合ってないのに、数学教えてもらうお礼にキスしてた。
じゃあ今回は?
今回のキスはなんだったの?
聞き出すつもりだったのに、さすがに灯里ちゃんの悲しそうな顔を見てたら、聞けなくなったの。」

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