ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「れ、麗⁉︎ お前…….」

うーん。
なんかこんなイケメンさんと、マンツーマンでレッスンって、緊張しちゃうなぁ…。

「いいお話じゃないか。
灯里、人助けだと思って、やってみたら?」

あれ?健心すごく乗り気⁇

「おい!そんな時間に余裕あるのか?
お前、バイト掛け持ちだろ?
健心の食事の用意とか、どうするんだ。」

えぇ。彬良がそれ言う?
くノ一カフェは辞めろって言ったくせに。

「俺なら大丈夫。
メシくらい作れるから。簡単なものだけど。
どうせ、週1〜2回のことでしょ?」

「ダメだ!」

「ちょ、ちょっと待って。
なんで彬良が反対するの?
健心がいいって言ってるのに。」

「…………。」

くノ一カフェは今月いっぱいで辞めようと思ってた。
健心の勉強を彬良が見てくれるなら、その方がいい。
もし、家庭教師みたいに、ちょっとでもうちに来てくれたりするなら、私も家にいたいしね。
もちろん、彬良だって仕事があるから、いつもと言うわけにいかないだろうけど…。

とは言え、先立つものがあれば、いいに決まってる。
少しでもバイト代が稼げるなら…。
しかも、大手を振ってバイト出来る環境じゃない?
これはお断りするのは勿体ないよ。

「健心がそう言ってくれるなら、
やってみようかな。
私でお役に立てるか分かりませんけど。」

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