ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「ま、誰が立ち向かってきたとしても、揺るがないものを築いていたら、焦る必要もないんじゃないの?」

……くそう。
全くその通りなんだよ。

「彬良はさ、もうちょっと自信を持ったら?
灯里がずっと1人でいたことを、もっとよく考えるべきだよ。
ただまぁ、HASEGAWAの御曹司ってのはやっぱ捨てがたいものがあるよなぁ〜、
うん。」

おい!
どっちなんだっ⁉︎


「お待たせ〜〜。」

俺の前にブラックのアイスコーヒー。
健心の前にはミルクたっぷりのアイスコーヒー。
自分用にホットコーヒーを入れている。

「灯里、俺部屋で飲む。
明日までにレポート1つあるから。」

「あ、そうなの?」

「じゃ、彬良、またな。」

「……おう。」

……これって…気を利かせたのか⁇






「なあ……お前、バイト……」

「え?あ、うん。今のは辞めるよ?
今月いっぱいで。
ひょっとしたら、ゴールデンウィークはお店も大変だろうから、手伝わないといけないかもしれないけど。」

「そ、そうか……。
良かったのか?お前、楽しそうにしてたのに。
…俺が言うのも変だけど。」

< 80 / 158 >

この作品をシェア

pagetop