ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「いや〜。麗さん、最強だわ。
綺麗な上に頭がキレるし。
灯里、いい友達出来て良かったなー!」

「フフフ…そうなの。
健心とピッタリ意気投合してたね!」

……腹黒なところがな。

麗さんと健心は、間違いなく同類だ。
頭の回転の速さも同じ。
灯里を大切に思ってるところもなんだけどな…。

兄貴も兄貴だ。
完全に尻に敷かれてるじゃないか。
…まあ、あの嫁には勝てないだろうよ。

「彬良、コーヒーでも飲んでく?
遅くなるかな?」

「いや、いい……や、やっぱりもらうよ。」

健心の睨みが何を物語っているのか…
とりあえず、車を停めて上がらせてもらうことにした。



「座ってて。
コーヒー入れてくるから。
健心はどうする?コーヒー?」

「うん。でもアイスコーヒーがいい。」

「あ、俺も。」

「わかった。待っててねー。」

灯里がキッチンに行ってしまうと、
健心と二人取り残される。

「……お前、どういうつもりだ?」

「何?バイトのこと?
……いい話じゃん。身元のちゃんとした人だし。
マンツーマンで教えるなら、その方が安心だよ。」

何取ってつけたように、ごもっともなこと言ってる⁉︎
くそ〜。
そう言われたら…

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