チヤホヤされてますが童貞です
瞳を閉じてソファにもたれかかったまま、深く呼吸を繰り返す。

『……もしかして…女性が苦手ですか…?』

昼間、凛に言われたことが頭の中で反芻した。

(今までバレたことなかったのにな…)

隠そうと必死だったからだ。
仕事がもう終わると緩みきった時に起こった出来事のせいだ。

「………」

それからついでに『凛との撮影』を思い出す。

腰に回した時の顔の近さ。
チラリと視界に入った陶器のようにきめの細かい白い肌と柔らかそうな乳房。
微かに香る甘い香り。

(うわぁ…俺最低…)

童貞だから、という理由で片付けるのは良くない。
でも経験の少なさのせいではあると思う。

意思に反して自身の肉棒が血液が巡って膨張した。
申し訳なく思いながらも、ズボンのチャックを開けて中からそれを引きずり出す。

「っ…」

手で包み込みゆっくりと上下に動かし始めた。
痺れるほど甘い刺激。
背徳感と快楽に溺れていく。

「っ………ん…」

荒くなる呼吸と上昇する体温。

(気持ち…い…)

頭の中に思い浮かべる柔らかな胸。
女性の中に慰めているものが入った時の感覚を想像するだけで果ててしまいそうになる。

そしてたったの1分後、手を速めて綾斗は達した。


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