レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
さすがはアリサ。この城イチの情報通だ。
「アン様は,ご自分が子供を産めないことに責任を感じてらっしゃるのよ。で,他の女性に頼ってでも,陛下にお世継ぎを残して差し上げたいんだわ」
「はあ……,なるほど。それだけアン様の愛は深いってことね」
もちろん陛下に対してもそうだけれど,この国への愛もだ。
「そうなると,側室になる女性は責任重大ね」
お城に上がるまではわたしもそうなるかも……と妄想していたくせに,何だか自分とは縁のないことのように言うと,アリサに(あき)れられた。
「あんたねえ……。他人事みたいに言っているけど,その相手があんたになる可能性だってあるんだからね?」
「……へっ?ないわよ,わたしは!こんな平凡な下級貴族の娘を,陛下が見初(みそ)められると思う?ありえない!」
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