弟にしないで。

その場でお別れをして、

次の授業は人生で初めてサボった。

学校の裏の公園にある大きな木の下で、

心地よい風を感じながらミルクティーを飲んでボーッとしてたら、

ふと影が落ちた。

顔を上げると、

身長が高いキレイな顔の男の子が立ってて、

「サボり?中学生なのに、いけないんだー」

なんて優しく笑って横に腰掛ける。

「お兄さんだって、高校生じゃん。」

「そうともいう。…気付いてないの?」

何に、、、

顔に出てたのかお兄さんが優しくいう。

「泣きたいって顔してる。赤の他人の俺が君の隣にいて愚痴を聞いたあげるよ、必要ないなら帰るし」

そこから何時間も私に付き合ってくれたんだっけな。

最後は優しく頭をなでられて、

飴玉をもらったような…

何味だっけ…



「もも、」

名前を呼ばれて意識が浮上してくる。

「もも、嫌な夢みた?」

涙を人差し指で拭ってくれながら、

爽くんがいう。

「ううん、爽くんとの出会いを夢に見てた。」

「あぁ、あの日か…」

そうあの日から爽くんは私の唯一の避難場所。



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