弟にしないで。

爽くんのおかげで色々ストンと自分の中に収まって、

「っ!///」

ようやくれいちゃんの言葉を理解する。

『桃奈さんが少しでも自分のことを気にかけられるようになったら俺を1番に思い出してね』

って…

「あ、あのさ、爽くん、」

爽くんにこんなことを言われたんだけど、

と戸惑いながら聞いたら、

爽くんは感心した声で、

「へぇ、いい男じゃん、もも、楽しくなりそうだね。」

なんて、ニヤリと笑いながらいう。

本人がどんな意図で言ったのかは、

聞いてみないとわからないけど、

それでも顔が赤くなる。

「もも、元気出た?」

私は思いっきり頷いて、

爽くんにきちんと体をむける。

「爽くん、たくさんたくさんありがとう。」

「うん、元気出たならよかった。今日はもう泊まってきな。遅いし。」

頷いて感謝を伝える。

その日はいつものように爽くんと手を繋いで同じ布団で寝てもらった。

…こうやって爽くんに甘え切るのは、

今日が最後。

もう大丈夫、な、気がする。


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