弟にしないで。

どんどんとれいちゃんたちは勝っていって、

次勝てば、引退はまだしばらく後になる。

ここで1試合分開くみたいで、

みんな少し外に出て休憩してる。

声をかけるなら今かな、

でも集中してるのに邪魔するのもな、

なんて思いながらも、

休憩場所にみんなで向かってるとはるちゃんが迎えにきてくれる。

「姉ちゃん!みなさん!来てくれてありがとうございます!」

「はるちゃんかっこいいよー!」

汗かいてるのなんて気にせず抱きしめると、

嬉しそうに笑うこえ。

「次も勝つよ。姉ちゃんがバスケ続けさせてくれたんだから俺絶対勝つから!」

あぁ。

大きくなったなぁ。

なんて一個しか変わらないのに思う。

はるちゃんはもうちゃんと自立してる。

「うん!楽しみ!」

涙が出そうになるのを堪えながら、

はるちゃんにそう返して、一緒に歩く。

休憩場所にはれいちゃんの姿がない。

あれ。

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