生贄の花嫁 〜Lost girl〜

帰る前に琉生くんが私と話をしたいと言うので部屋にもどった。こうやって話せるのも今日で最後なのかな…。

「あの人たち、皆いい人なんだね。」

「そうだね……たまに喧嘩になることもあるけど優しくていい人たちだよ。」

「じゃあ、やっぱり花月ちゃんは誰かのこと好き…？」

「皆大好きだよ。」

「1番好きなのは？この間聖さんとイイ感じになってたじゃん。」

「1番なんて決められないよ。最初は、吸血鬼だって言われて、怖いって思ったけど、優しく接してくれて温かくて家族になれたのかな…って思っている。」



「それなら、花月ちゃんは今幸せ？」

「もちろんだよ。ここに来たおかげで琉生くんともこうして出会えたし学校にも行けるようになった。……何より自分の家にいたときよりも自由になった。本当に皆には感謝している。」


「それならよかった。花月ちゃんの幸せが僕の幸せだから。」



琉生くんの幸せは琉生君の幸せでいいんだよ。私の幸せなんか願わなくていいんだから。」


「いいの。僕が願いたいんだから。」