生贄の花嫁      〜Lost girl〜
―輝石side—

俺らの後を必死に追いかけてきた花月。自分の部屋に泊めると言い出し正直戸惑った。花月のことだから男目当てじゃないことは分かっているけど男3人が1人の女の子の部屋に泊まるなんて正気じゃない。


「あいつら、許してくれてないんだろ?」

「私は…貴方たちの力になりたい。それだけだよ。」


「わーい!また花月ちゃんの部屋に泊まれる!花月ちゃんの部屋、すごくいい香りだから好き。」


「本当にいいんですか?」

「私にできることはそれくらいしかないから……それに、教えてくれるんでしょう?目的のこと。」

「まあそうですが…。」




「花月。」




緑川聖…(だったか?)がドアのほうから花月のことを呼んでいた。

こいつ、本当に花月のことが好きだな……



「聖さん…どうしてここに…?」


「俺は…いいと思う。そいつらを泊めること。これ以上ライバルが増えるのは嫌だけど…花月の笑顔が見られないほうがもっと嫌だ…。」


「なんで…さっき言ってくれなかったの…?」


「さっきは…皆の殺気が怖くて言えなかった。でも…花月が折れようとしなかったから俺も手助けしたいと思った。」

「聖さん…。」




「あの…私たちがいること、忘れていませんか…?」
「あ、ごめん…つい。」




聖が花月の頭を撫でる。こいつら…人前で何やってんだか。



「じゃあ、部屋に案内するね。」
< 112 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop