生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「なかなかないね、ランタン。」

「桃瀬くん主催ならそんな簡単にはいかないとは思っていたけど、まさかここまでとはね。」



宝探しのゲームのはずが、結局皆で屋敷の中を周ることに。このゲームの趣旨としては間違ってはいないけれど、なんだか変な感じもする。


「…1個目、見つけたぞ。」

「じゃあ、開けてみなくちゃね。」


『残念!これはトリック箱だよ。この箱を見つけちゃった人は、今日1日語尾にぴょんとつけること!』



「トリック…つまり悪戯が仕込まれているということですか……。」
「悪戯というより、悪ノリね。奏クン、愉しんでるわね。」

「……ぴょん…。」
「なんか、聖さんが言うと可愛いね。」

「…が、頑張る…ぴょん……。」

















「ねえ、藤林先輩、泰揮クン。」

「何かしら、楓チャン。」

「あの2人と離れすぎじゃない…?いくら何でも勘づくって……」


「あら、それは2人の本心に楓チャンは気づいているってことかしら…?」
「気づかない方が不思議だよ。どんだけ鈍いの、あの2人。」

「まあ、気が付いていないのは本人たちだけでしょう。」

「それなら、教えてあげたほうがいいんじゃないの?」


「聖クンには教えてあげようかとも思ったんだけど、自分で気づいて想いを伝えられる方が幸せかなって。」
「随分と乙女チックで夢見た発想ですね。」

「楓チャンは見ててイライラする?」


「今はもう…しないですよ。どんなに私が好きでいても無駄だってこと、分かったから。」


「聖も花月さんも器用ではないようなので遠回りになるかとは思いますが、自信をつけさせるにはこのほうが良いでしょう。私たちができることはせいぜい2人が離れないようにサポートすることです。」



「本当にアタシ達って損な立場よね。親としての役割をこなして、見守る立場だなんて。」

「未練があるのは私より、皆さんってことですか。」
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