生贄の花嫁      〜Lost girl〜
パーティーも終わり、私の部屋へと戻る楓ちゃんと私。

「……ねえ、花月。」
「ん…?」


「……やっぱ何でもない!」
「そ、そう…?」


「……私を…拾ってくれてありがとね…。」


「今何か言った…?ごめんね、聞き取れなくて…」

「早く結婚してねって言ったの!お似合いなんだから。」
「結婚!?……そういえば…私は誰とするんだろう……。」



「……え、もしかして本当に気づいてないの…?」

「私は生贄の花嫁だから、誰かといつかは結婚するんだろうけれど……でも、まだ分からないや。」

「……花月の心……教えてあげようか…?」
「え……?」




「花月が誰を好きでいるのか……。」
「……。」
「花月はね、本当は……」





「ううん、まだ聞かないでおく。これは私が自分で気づかなきゃいけないことらしいから……ちゃんと自分で気づきたい。」


「……そっか。じゃあ、分かったときには1番に教えてね。絶対だから。」


「うん。約束。」
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