生贄の花嫁      〜Lost girl〜

第29話 ドキドキの文化祭(前編)

「お昼なのに花火が上がっている!」

「文化祭本番だからね。宣伝は大きくやらないと。」

「皆衣装は着られたー?もうすぐお客さん入るよ。」


「結愛ちゃん、これで合ってる?」
「うん、大丈夫だよ。あとは笑顔だね。今日1日を楽しもう!」



「男性陣も悪くないんじゃないー?そこそこカッコいい執事って感じ。」
「おい、それは褒められてるのか…?」
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「いらっしゃいませ。何名様ですか…?」

「2人ねー。ねえねえ、貴女が噂の人間ちゃん?」
「あの…えっと……。」

「うちらね、この前この辺に引っ越してきて、来年この学校に入る予定なんだー。今年入ってきた人間の子がいるって聞いたんだけどそうかなーって思って。」



私は人間です。っていうべきなのかな……?でも、この人たちも吸血鬼だよね……。迂闊なこと言うと危ない気もするし……


「…花月、俺が案内する。」

「あ、ありがとう、聖さ……」
「お兄さんめっちゃカッコいい!名前教えてください!」
「彼女とかいるんですか!?」

「…彼女は…いないけど……。」
「今度一緒に遊びに行きませんか!?」


「…と、とりあえず席に……。」





女の子たちに迫られていて聖さんも大変そうだな……。あんなに素直に言葉にできる彼女たちは羨ましいけれど……。

あれ…?なんで私羨ましいって思っているんだろう……


「もやもやする?」
「うん……胸やけかな…?」

結愛ちゃんに聞かれ胸に手を置いてみるが何だかよく分からない。


「…注文が決まったら呼んで……」
「お兄さんのおすすめはー?」

「…おすすめ……ブラウニー…かな。」


「じゃあブラウニー2つとミルクティー2つください!」

「…ごゆっくり、どうぞ……。」
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