隣のキケンな王子様!
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昔、あたしが5歳の幼稚園児だったころの話。
あの頃のあたしはすごく泣き虫で。
近所の犬にほえられたり、ジャングルジムから降りれなくなったり、
坂道で転んだり、お気に入りのハンカチを落としてしまったり……
何かあるたびにすぐに泣くような弱虫だった。
そんな時にいつも助けてくれたのが、お隣の家の男の子。
一緒に遊んだりするような幼なじみっていうほど仲が良かったわけじゃない。
むしろ、ちゃんと話したこともなかった。
ただいつもあたしが困っているときはどこからかすっと現れてくれて、
助けてくれたり励ましてくれる不思議な男の子だった。
ちょうどそう、アニメの中の王子様みたいに。
あたしはそのお隣の男の子を……いつしか本物の王子様だと思うようになっていた。