私的恋愛論
その男の名前は、
早瀬 恭介
彼は、私を学級委員に推薦した張本人だ。
クラスのムードメーカーで、いつも雰囲気を和ませてくれる。
男女問わずに人気があり、特に女子からの人気はすごい。顔もいいしね。
学年に一人はいるモテ男だ。
そんな彼に私も少なからず好印象を持っていた。
その時はね。
さかのぼること一週間前のこと。
私は、菜月ちゃんと一緒に英語係になろうと約束していた。
理由は簡単。
楽だからだ。
たまにプリントを集めたりするだけだしね。
｢誰かー、女子！学級委員やってくれないかー？｣
担任の声が教室に響く。
男子は、山口くんに決定らしい。
山口くんは、とても優しい人だ。
もの静かで大人っぽい彼ならクラスをまとめてくれそうだ。
