私に恋する可能性



犬飼先生に引かれるままだらだらと歩く



「お前どうしたんだよ、クマすごいしなんか疲れてんぞ」


いや…昨日、あの後お兄ちゃんが全然帰ってこなくて待ってたんだよね

残業で死にそうになってたし

私はその前にちょっと頭悩ませてたし

それで結局なかなか寝付けず…



「色々…あったんですよ」


「はあ」


本当に…色々



「うお多岐おせーって!」


不意に誰かのそんな声が聞こえた


下駄箱付近、騒がしい一角


思わずびくっと反応する


「あ、おい彼氏だぞ」


空気の読めない犬飼先生の背中をバンっと叩く


「いてっ」


そのまま犬飼先生の後ろに隠れるように縮こまる


「…?」


「すみません、ちょっと…隠してください」



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