私に恋する可能性
「てか、そんなことはどうでも良くて」
え
「多岐に告られたって本当なの?」
んーそう言う解釈をしていいか分からないから
なんとも言えないんだけど
「そうやって勘違いしてしまうような言葉を言われたのは確かだよ」
「…そう」
それをどう捉えればいいか分からなくなって混乱して逃げ出したんだよ、私は
「はぁ…やべぇな俺」
へ?
「なんで俺がここまで走ってきたか分かる?」
蓮斗くんの綺麗な目が私を見据える
「ひなたのことが、好きだからだよ」
真っ直ぐ向けられる好意に思わず心臓が鳴く
「多岐に負けないくらい、ガチでひなたのことが好き」
息苦しくなる、蓮斗くんの声と視線
「花火大会の時にひなたを見つけてからずっと俺の特別」
蓮斗くんの声色がいつもと違う
流石の私でもわかる
蓮斗くんが本気だってこと
「ひなたお願い。多岐のところに行かないで」
蓮斗くんが私との距離を詰めた
でも…私は多岐くんが
「ひなたが俺に恋する可能性だって、ゼロじゃないでしょ」
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