私に恋する可能性



「気持ち悪いんだけど」


!!


喜びの変顔を披露していたところ

部屋の入り口にもたれかかってドン引きしてるのはお兄様


「お兄ちゃん!明日花火大会行ってくる!」


「唐突だな。てか最近ずっと顔死んでたのにいきなり叫び声聞こえるし、来てみたら携帯に向かって変顔してるし、お前ついに頭終わった?」


終わった?

頭って終わるの?


「花火大会って隣町でやるやつか?」





「そー!行ってもいい?」


「誰と?」


だっ…誰、えっと


「と、友達」

「男?女?」


えっと…

思わず口籠る


「…え、男?」


察しのいいお兄様だこと


「…は?男なの?え、は?おま、え?」


兄の頭の上に?が大量

男の子ですけど…えっと


「お、お兄ちゃんには関係ないでしょ!」


なんだか急に照れ臭くなってしまった

思わずお兄ちゃんを部屋から追い出しドアをパタンと閉める


そうだ…私、男の子と出かけるんだ


思えば初めてかもしれない


男の子と2人で…しかも、仮にも私たちは彼氏彼女という関係


好きな男の子と2人で…花火大会に



……


おしゃれしなきゃ


熱を持った頬をパタパタと仰いだ



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