新 不倫


“ガラガラ”


「・・先生。こんにちは。」


「・・zzz…・・あ・・はい。
もう部活の時間ですか・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・zzz…


「先生・・。」


「・・あ・・・はい。」


「お願いがあります・・。」


「あ~・・なんでしょうか?」


「先生が描いた絵・・
見てみたいです・・。」


「ど、どうしたんですか急に・・?」



“知りたい”という気持ちが満たされれば満たされるほど、

その奥にある気持ちが顔を覗かせた。


それは元木先輩が持っている“尊敬”とは違う・・持ってはいけない気持ち・・。






「簡単ですが・・ざっとこんな感じでご勘弁して頂けますか・・?」


「・・・・・・・。」


「タイトルは“この席からいつも見ている風景”という事で・・。

窓際で漫画を描く男子生徒と、廊下側で色鉛筆画を描く女子生徒ですね。」


「・・・・私・・・
こんなに美人じゃないです・・。」




それは、お父さん以来に向ける眼差し。

お父さんが消えて無くなって以来、
生まれる事の無かった心。


そして・・・


「あ~・・そろそろ眠りに入っても大丈夫ですか・・?」


「はい・・ありがとうございます・・。」



決して、生徒が教師に対して持ってはいけない気持ちだった。



















 




 




 



 







< 46 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop