エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜



ベリーヒルズのレジデンスに着くと、フロントに受付嬢らしき人が座っていた。
以前はよく見てなかったから気がつかなかった。

すごいなぁ……さすがベリーヒルズ。さすが、高級マンションだなぁ。


「おかえりなさいませ、五十嵐様」

「美唯、前は見てないかもしれないがここのコンシェルジュさんだ……彼女らになんでも頼むといい」


コンシェルジュさんは名前を名乗って会釈をした。所作がとっても、綺麗……。


「じゃあ、よろしく頼むよ」

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」


彼女らに見送られ、エレベーターに乗り込んだ。コンシェルジュさんがいるくらい、いいマンションなんだろうなぁ。

部屋に着くと五十嵐さんは買ったものを冷蔵庫へ入れ始める。


「あ、私やります! 一応家政婦ですので……!!」

「あはは、ありがとう……じゃあ、俺は座っているよ」


五十嵐さんは、ジャケットを脱ぎ、シャツを腕まくりをしてこちらにやってきた。


「マグカップを買ってみたんだ、美唯の分だよ」

「え!? 私のですか?」

「そうだよ、一応ペアのね……夫婦っぽいでしょ? 俺はお茶を淹れるとするよ」


そう言って、彼はポットに水を入れてお湯を沸かし始めた。






< 16 / 57 >

この作品をシェア

pagetop