エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
ベリーヒルズのレジデンスに着くと、フロントに受付嬢らしき人が座っていた。
以前はよく見てなかったから気がつかなかった。
すごいなぁ……さすがベリーヒルズ。さすが、高級マンションだなぁ。
「おかえりなさいませ、五十嵐様」
「美唯、前は見てないかもしれないがここのコンシェルジュさんだ……彼女らになんでも頼むといい」
コンシェルジュさんは名前を名乗って会釈をした。所作がとっても、綺麗……。
「じゃあ、よろしく頼むよ」
「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」
彼女らに見送られ、エレベーターに乗り込んだ。コンシェルジュさんがいるくらい、いいマンションなんだろうなぁ。
部屋に着くと五十嵐さんは買ったものを冷蔵庫へ入れ始める。
「あ、私やります! 一応家政婦ですので……!!」
「あはは、ありがとう……じゃあ、俺は座っているよ」
五十嵐さんは、ジャケットを脱ぎ、シャツを腕まくりをしてこちらにやってきた。
「マグカップを買ってみたんだ、美唯の分だよ」
「え!? 私のですか?」
「そうだよ、一応ペアのね……夫婦っぽいでしょ? 俺はお茶を淹れるとするよ」
そう言って、彼はポットに水を入れてお湯を沸かし始めた。