愛してるって気持ちだけじゃ届かない
慧が追いかけて来るかはカケだったが、私は、席を立ち、2人分の支払いを済ませ店の外に出た。
そして、数メートル歩いたところで、背後から抱きしめられる。
「抱いたら、もう今までの関係には戻れない。それでもいいのか?」
コクンと頷くと、体を反転させられて唇を艶めかしく喰むキスに、夢中にさせられていく。
そして、お互いの熱が高まり、恋人同士のように体を寄せ合いホテル街に向かったのだ。
まさか、新たな決意を誓った日にこんな展開になるなんて思ってもいなかった。
友達でしかなかったのに、慧は私を女として抱いてくれる。
今は、あの女の代わりに抱いていたとしても、もう友達には戻れない以上、セフレでもいいから女として見てもらえる喜びに、打ち震え、彼に初めてを捧げる。
『…しおり…お前、まさか初めてなのか?』
『悪い』
『いや、数えきれないくらい男がいたのに、俺が初めてなんて…感動してる』
『そこまで初めてを捧げてもいいって思える人がいなかっただけよ』
『初めてが俺でいいのか?』
『慧ならいいって思ったから誘ったのよ』
『…優しくする』
なぜだが、見たことないほど嬉しそうに笑い口づけられて、彼が最初の男になった。
きっと、もう慧以外の男に抱かれるのは無理だろうと遠くなる意識の中思ったのだ。