愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「菜緒、疲れてない?」


長い一日を終え、マンションに帰宅した私は和装から開放され、ソファで寛いでいた。
私の左手の薬指には、百貨店のジュエリーショップで直してもらったブルーサファイヤの指輪が輝いている。


「うん、大丈夫だよ」


シャワーを終えてリビングに戻ってきた涼介さんはため息をついた。


「まだその指輪を眺めてるの?」
「うん……なかなか止められなくて」


きっと今後は身に着ける機会もないだろうと思うと、はずすのがもったいないのだ。


「でも、そろそろ指輪だけじゃなくて俺も見てほしいな」


隣に座った涼介さんが、私の顔を覗き込む。


「うん……」


サムシングブルーといって、花嫁は青いものを身に着けると幸せになれると聞いたことがある。
今日の結婚式に着けられてよかった、と思っていると。


「菜緒」


首を窮屈な角度で捻った涼介さんが、私と指輪の間に無理やり顔を挟んだ。


「あ、ごめんごめん!」


適当に答えていたとバレてしまい、私はハッとして指輪をはずすとケースの中に大切に仕舞う。


「これで、許す」


涼介さんはチュッとリップ音を鳴らし、慌てる私の頬にキスをした。


「ちょっと来て」


手首を引かれ、私は立ち上がる。


「う、うん」


どうしたんだろう? と不思議に思いながら寝室について行くと、入った瞬間にいい香りが漂ってきた。
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