愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~

そう言われれば、たしかに思いあたる点はいくつかある。

美弥子さんも美保ちゃんを妊娠していたとき、立ちくらみがするから鉄分不足には気をつけているし、食事も脂っこいものは受け付けなくなったと話していた。

私のお腹に、涼介さんとの赤ちゃんがいるかもしれないの……?
ちっとも現実味が湧かないけれど、もしそうだったらすごくうれしい。


「涼介さん、妊娠について詳しいね」
「前の秘書が女性で、産休に入ったから。近くで見ていたからね」
「なるほど」
「だから、なるべく無理をさせないように見守ろうと思っていたのに、俺がストレスをかけてしまって本当に悪かった」
「ううん……」


私は首を横にやり涼介さんの手を取った。
持ち上げて、そのままお腹にもっていく。

まだここに赤ちゃんがいると決まった訳じゃないのに、私の手とお腹で重ね、幸せが宿っているかもしれないと考えるとぽっかりと温かく感じる。

赤ちゃん、いるのかな……。

そうだったらいいなと思いながら、私は睡魔に襲われて目を閉じた。




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