熄えないで
私の腕を掴んだのは吉乃くんだった。
その意味がわからず「吉乃くん…?」と言って首を傾げれば、彼はすぐにはっとしたように手を離した。
「…すみません。なんでもないです」
どうしたのだろうか。
少しだけ様子が変…なような気もする。
「よし、」
「がんばってください、ね」
言葉を遮られてしまった。
気になるところではあるけれど、ひとまず私は成川くんのところにいかなければならない。
全部終わらせることができたら、戻ってきた後で吉乃くんと話をしよう。
彼のエールに頷いて私は今度こそ席を立つ。
「え、先輩ワッフルは!?」
「ごめん蒼志くん!あとでもらうから取っておいてもらえるとうれしい!」
焼きたてのワッフルを持ってきたばかりの蒼志くんに早口で謝り、私は保健室へと向かった。