熄えないで




蛍原さんに会ったあの日の夜、私は決意を固めて成川くんに連絡をした。



《ちゃんと話したい。いつでもいいから、放課後空いてる日があったら教えてほしい》



その旨を伝えたところ、『文化祭までは仕事が立て込んでるから、文化祭の後夜祭でもいい?』と返信が来たのだった。

私はそれに《わかった》と短く返事をし、成川くんとの約束は文化祭最終日の後夜祭に決まった。



元々、文化祭自体も成川くんと一緒に回ることになっていたけれど、成川くんは気を使って『友達と楽しんで』と言われ、一緒に回る約束は無しになったのだ。


テストまでの間は、吉乃くんと蒼志くんとは継続して勉強会を開いていた。そのおかげで、今回のテストはひとつも赤点がなかった。


吉乃くんとは、蛍原さんとの1件以降もとくに気まずさはなかった。

後夜祭の時に話をすることになったと伝えると、「頑張ってください」と、感情の読み取れないトーンで言われた。



ただ、吉乃くんがあの日言いかけた言葉は、まだ 聞けずにいる。


< 90 / 205 >

この作品をシェア

pagetop