泡沫夢幻
佐野さんに急かされ、耀に手を引かれて
おじさん -耀のお父さん- に開けてもらった地下室へ続くらしい階段を降りると4つほど部屋があった。
佐野さんは1番奥にある【飛龍 2】と書かれた部屋の扉を開けた。
「んじゃ、詳しく話を聞こうか」
耀のお父さんから受け取った氷の入った冷たいココアを満足そうに飲み干した佐野さんは身を乗り出して聞いてくる。
「いや詳しく聞きたいのはこっちなんだけど…」
突然の出来事に頭が追いついていない俺は目の前に座る目を輝かせている佐野さんと携帯を握りしめている耀に問う。
ぱっと見12畳はありそうなこの部屋にはテーブルと2人掛けソファーが2つ、そして折り畳まれた椅子が3つとパソコンと2つの写真立てが置かれた小さな机がひとつ。
白い写真立てには佐野さんと耀を含めた5人の男女が写っていた。もう一方の写真立ては倒されていてどんな写真なのかまでは見えない。
「もしかして奏さんたちから何にも聞いてないのか?」
先ほどまで黙っていた耀がぼそっと呟いた。