狼の愛したお姫様
「遥、落ち着いてください!」
「遥さん!!」
上手く呼吸ができない。
口から酸素を取り込む方が早い。
「そうしてると“牙狼”の通り名に相応しいじゃねぇか。」
僕の通り名は“牙狼”
狙った敵にだけ牙をむく、狼。
「…お前、誰に手ェあげてんの。」
頬に手を当て、東条の胸の中で今にも倒れそうな叶望が視界に入る度に心臓が早くなる。
「…あ?」
それでもとぼける東条に、とうとう“俺”も我慢が出来なくなった。