狼の愛したお姫様
「それこそが洗脳ですね。」
ストンと胸に落ちてくる。
湊都の言葉一つ一つが、胸に刺さるようで。
「ごめんね、湊都」
私、湊都に止められてなかったら──。
…そう考えると怖くて、震えてくる。
私はこんなにも弱いのに、弱いままなのに、怜の元へ帰ろうとしかけた。
「大丈夫。」
ふわりとシトラスの香りが私を包み込む。
「みな、と…」
それは紛れもない湊都の香りで、私は包まれた。
「貴女を愛してやれるのは、あの男だけではないでしょう?」
その顔は苦しそうに、それでも笑って、私を励ましていた。