寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
晴久はまた雪乃のことが心配で放っておけなくなり、今夜中に電気を復活させるという絶望的な目論見をする彼女に代わり、対策を考え始めた。
彼女をなんとか守ってあげたい。抱き寄せている手でしっかりと雪乃の体を支える。
そしてひとつの覚悟をした。
「細川さん。嫌だったら拒否してもらってもかまわないのですが……。今夜は、とりあえず俺の家に来ませんか」
「えっ!?」
「すみません。俺にはそれしか思い付かなくて」
冗談で言っている声色ではない。雪乃が顔を上げて目を見ても、彼は真剣そのものだった。
「で、でもっ……」
「男が苦手ではとても俺の家になんて来たくないでしょうけども。でも心配なんです。とてもこのまま……置いては帰れない」
雪乃は緊張で言葉に詰まる。
「なにもしないと誓います。信用してもらって大丈夫ですから。……難しいですか」
頭の中では「そんな迷惑をかけるわけには」と言い訳だけが必死に駆け巡っているが、雪乃こそ、このまま晴久に置いていかれることに耐えられそうになかった。