白球と最後の夏~クローバーの約束~
稜ちゃんがキャッチャーボックスに戻って構えると、試合再開。
大森君の1球目は・・・・スライダーだ!主審がストライクのポーズ。
花北バッターはそれを見送った。
バッターが構え直すと2球目。
ブンッ!
今度はチェンジアップ!
ストレートと同じフォームで投げるけど、ストレートに比べて球速が遅いから、バッターの打つタイミングがずれたんだ。空振り。
ツーストライク、ノーボール。
それから遊び球を2つ挟んでの5球目。
またスライダー!
最初はまっすぐ進んで、バッターの近くで地面と水平にスライドする球種。
ブンッ!
やった!三振だ!
8回の表は、ランナーも出さずに青雲ペースで進められた。
「稜のタイムが効いたな。あのまま投げてたら同点だったかもしれない」
岡田君が言う。
「そうだよね、ホッとしたよ」
どうやら、守備の間もキャーキャー言う女の子たちに慣れた様子の岡田君。
表が守れたことと岡田君が普通の口調に戻ったことに、2倍ホッとしたよ、わたし。