白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
だってそうじゃない?


普通に見たら誰だって勘違いしちゃうはずだよ・・・・あのときの岡田君とわたし。

放課後の教室に2人きり、向き合って座っておしゃべりしている。

そんな場面・・・・。

もしもそんな場面に遭遇したら、例えその人たちを知らなくても、わたしだったらそこにラブを感じてしまうもの。


もしもそれが、わたしの知っている人だったら・・・・。

見たほうも見られたほうも、たぶん“勘違い”しちゃう。

そうなるのが怖かった。

だからわたしは、あんな行動に出た岡田君にずっとイライラしていたんだ。


パシャッ・・・・
パシャッ・・・・


そんな心の黒い部分を洗い流したくて、冷たい水で顔を洗った。

息継ぎも忘れるくらいに。


でも───・・


水の冷たは顔中に感じるのに、なぜか目の辺りだけじんわり熱くなっていく。

自分でも、なんで泣いているのかよく分からない。

だけど涙がポロポロこぼれる。


こんなところ、誰にも見られたくない。こんなに嫌な部分があったなんて・・・・。
 

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