白球と最後の夏~クローバーの約束~
・・・・えっ?
稜ちゃんが・・・・キス。
今の、キス・・・・だよね?
なに? なに?
えっ? えっ?
キス・・・・だよな。
なんだろう・・・・プニッとした。
“ちゅっ”ってしたよ?
柔らかくて、温かくて、一気に体から力が抜けていく。
骨抜きになったみたい、わたし。
これが“キス”なんだぁ・・・・。
これが、これがキス”ってやつなんだぁ・・・・。
「ど? これで意味が分かったんじゃないかと思うんだけど・・・・」
唇を離した稜ちゃんが、真っ赤なゆでダコの顔でそう言っている。
でも、わたしの頭の中はごちゃごちゃしていて、ぽわんとしたピンク色で・・・・。
だからちゃんと働いてくれない。
「ん?」
なんて首をかしげて、稜ちゃんはわたしの返事を待っている。
真っ赤な顔をしているくせに、稜ちゃんの言葉にはなんだか余裕があるみたい。
・・・・そこがちょっと悔しい。
しばらくの間、わたしはキスをされたときの格好のまま、カチコチに固まっちゃったんだ。