初恋ラプソディ
奏先輩の申し出はすごく嬉しいけど…

「でも、親が反対すると思います。
出場費を出して貰えないと出られないので、
親が賛成してくれないと… 」

この間の三者懇談で散々叱られたばかりだし。

「森宮の親って、エレクトーンやるの
反対なの?」

奏先輩が不思議そうな顔をする。

「反対というか、エレクトーンより勉強って
思ってます。
私、成績があまり良くないので… 」

奏先輩や茜先輩みたいに、勉強もできれば反対なんてされないんだろうけど。

奏先輩は少し考えて言った。

「俺が勉強見てやろうか?」

「え?」

「俺も人に偉そうな事言えるほど頭がいい
わけじゃないけど、1年の問題くらいなら
教えられる。
そうだ!
週に1回、森宮んちで、エレクトーン1時間、
勉強2時間でどう?
(ゆう)先生には俺が話しておくから、レッスン
時間は調整しておいおい決めればいいし。」

優先生は、私たち共通のエレクトーンの先生。

でも、それって…

「奏先輩が家庭教師をしてくれるってこと
ですか?」

「そんな大袈裟なものじゃないけど、2人で
勉強して、森宮が分からないところは俺が
教える。
週末の部活の後なら、大丈夫だろ?」

大丈夫だけど…
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