激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
ただひとつ、確認したいことがある。


「私、お花が好きなんです。この仕事に誇りを持っていて、ずっと携わっていたいんです。結婚してもきっとその気持ちを捨てられません」


正直に伝えると、宝生さんの目が大きくなる。

あきれているかもしれないと思ったのに、そのあとすぐに彼の頬が緩んだ。


「なんだ、そんなこと? 俺は、花を愛する重森さんが好きなんだよ。生き生きと働くあなたが愛おしいんだ。それなのに、その気持ちを捨てられたら困るし仕事も続けてほしい。俺が花を上回れるくらいに努力すればいい話だ」


まさかそんな答えが返ってくるとは思わず、彼をじっと見つめてしまう。


「まだ、不安がある?」

「いえ。……どうぞよろしくお願いします」


気がつけば自分が売ったばかりの花束を受け取り、承諾の返事をしていた。


「紬」


スクッと立ち上がった宝生さんは、少し潤んだような瞳で私を射る。

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