激愛～一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい～

「それは、言葉のあやというか……」

「妬けるな。昨日いたあの男だろ？」


うわっ、チェック済みなのか。


「そう、ですけど……。私は太一さんのプロポーズを受けたんですよ？」


苦し紛れに伝えると、彼は手の力を緩めて私をくるっと回し、向き合わせる。


「それなら、俺にも言ってほしいな」


素敵って？　

西田さんには恋愛感情があっての素敵という意味ではないのでするっと出てくるが、太一さんには照れくさい。


「あれ、やっぱり浮気？」


押し黙っていると、さらに追及されて焦る。


「違い、ます。私は……太一さんが好きなんです。その……す、素敵です」


恥ずかしすぎて視線をキョロキョロさせながら声を振り絞った。
すると、再び抱き寄せられる。


「大切な女に『好き』とか『素敵』と言われると、ヤバいな」


私はプロポーズを承諾しただけで、自分の気持ちをまだ言葉で伝えていなかったんだ。