激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
幸い我が家は結婚に関しては寛容で、おそらく紬のことも受け入れてもらえるはずだ。

しかし、結婚を機に経営コンサルタントを辞して、太平物産に入れと急かされるのだけは覚悟している。

もうずっと前から打診されてはいたが、自由が利く今の仕事が楽しくてのらりくらりと逃げていたのだ。

でも、紬を妻に迎えるのなら、そろそろ腹をくくらないと。

二十四時を過ぎた頃ようやく帰宅できた俺は、ネクタイを外しながらリビングに向かった。

ドアを開けるとあのバラの香りが漂ってきて、大きく息を吸い込んだ。


「あれっ……。紬?」


テーブルの上に食事が用意してあり目を瞠る。

彼女にカギを預けたものの遅くなると言っておいたので、今日は来ないと思っていたのに。

もしかして……。


俺は期待を胸に寝室に向かった。
すると、ベッドの端で寝息を立てている紬が目に飛び込んできて、ニヤけた。

来てくれたんだ。

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