激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「そうでしたか。ありがとうございます」


私は西田さんと並んで深く頭を下げ、浅海さんを見送った。


「いやー、重森。いい人捕まえたなぁ。仕事はできるわ収入はあるわで、最高じゃないか。宮城グループといい今のお客さまといい、宝生さんには頭が上がらないよ」


私たちの会話を聞いていたらしい店長が話しかけてくる。

すると、西田さんはなぜか苦い顔をして奥に引っ込んでしまった。

あれ、機嫌悪い?


「そろそろ披露宴の搬入準備の時間だね。今日も頼んだよ」
「はい」


店長に促された私は、ワゴンに荷物を載せ始めた。


今日の装花は、西田さんがメインフローリストで、私ともうひとりの女性の先輩がアシスタントを務める予定。

西田さんがクライアントからの要望を聞き、今日のためにデザインしたテーブルの装花を、三人で実現していく。
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