激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「紬と結婚したと自慢したくて、結婚指輪も用意したんだ」

「自慢って……」


照れくささもあるけれど、うれしいかも。


「紬は仕事中はつけられないだろうから、これ」


彼は立ち上がりソファのうしろに回ったかと思うと、私の首にネックレスをかける。

そのチェーンには婚約指輪とは別のシンプルな指輪が輝いていた。


「えっ、これも?」

「こっちは結婚指輪。婚約指輪を首からかけておいてと言っても、絶対にしないだろ?」


私の左手に触れながら話す彼は、クスッと笑みを漏らす。

たしかに、値段を聞くのも恐ろしいこの指輪を日常使いにはとてもできない。
私のこと、よくわかっているかも。


「ふたつも……。ありがとうございます」
「夫なんだから、当然」


太一さんは私をうしろから抱きしめてささやく。


「幸せになろうな」
「はい」


うれしさのあまり顔を彼のほうに向けると、すぐさま唇が重なった。
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