激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
茶碗蒸しを口に運んでから一応話を合わせると、彼がじっと私を見ていることに気づいた。


「な、なにか?」
「本当においしそうに食べるんだなと、うれしくて」
「うれしい?」


おいしければ、自然とそういう顔になるでしょう?


「私たちの世界、見栄の張り合いみたいなところがあって、おいしいくせにあの店の料理のほうが優れているとか、ここは格式がとか言いだす人が多いんですよ。正直、うんざりしていて。おいしいものはおいしいでいいのにと」

「もちろんです」


私の周りにはそんな屁理屈をこねる人はいないので信じられない気持ちで聞いていた。


「そんなの、食材たちにも失礼です。おいしく変身してきてくれたのに」
「変身って……」


白い歯を見せ肩を揺らす宝生さんを見て、顔が真っ赤に染まっていくのを感じる。

また突拍子もない発言だったかも。

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