激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
着物姿の女性に尋ねられてため息が出そうだった。

あぁ、これが聞いていた見栄の張り合いというものだ。
どこで買ったかなんて、どうでもいいのに。


「申し訳ありません。お店の名前までは、覚えていません」

「えっ、どこのブランドかわからないものを着ていらっしゃるの? それはびっくりだわ。宝生さん、ちゃんとしたものを買ってくれないのかしら?」


着物の女性に目を丸くされて、私のほうがびっくりだった。

彼に買ってもらった洋服はたっぷりクローゼットにあり、その中には私にはもったいないお高めの洋服もある。

それだけでなく、カードを渡されていて好きなものを買っていいと言われてはいるが、名の通ったブランドのものでないとなんて考えたこともない。


「買ってくださいますが……」


一応反論したものの、完全に相手にしてもらえていない感じがひしひしと伝わってきた。


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