激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「今日は嫌な思いをさせて悪かった」

「太一さんのせいじゃありません。断じて!」


御曹司の太一さんとの結婚は、私にとっても覚悟のいる選択だった。

垣間見たこともない富裕層の世界でうまく立ち回れるのだろうかという不安は常にある。

けれど、彼はたまたまその世界に生まれただけで、悪いことなどひとつもしていない。


「でもな……」

「それじゃあ太一さんは、私との結婚を後悔してるんですか?」

「するわけない」


ムキになって返してくれるのが私としてはうれしい限りだ。


「私も後悔なんてしてません。だからしょうがないんです。でも、傷ついてないとは言わないので、太一さんがうんと甘やかしてください」

「紬……。やっぱりお前は最高の女だ」


彼はうれしそうに微笑み、私のグラスに自分のグラスを合わせた。
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