激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
共感してもらえるのはうれしいが、この花たちはすぐに枯れてしまうだろう。
さすがに申し訳ない。


「それでは、少し待っていただいてもいいですか? こちらはこのままお渡ししても?」
「はい」


とりあえず抱えていた花束を彼に渡し、ワゴンの中からいくつかの花を取り出して小さなブーケを作り始めた。


黒い雲が立ち込めた薄暗い空から大粒の雨が降りだしたのに気づいた私は、慌てて傘を宝生さんに手渡した。

すると彼は私に差しかけるので首を横に振る。


「私は大丈夫ですので、宝生さんと一緒に花束を傘に入れてあげてください。花は雨が降るとパニックするんです」

「パニック?」


彼は不思議そうな顔をしながらも、傘からはみ出していた花束を自分の体に密着させて持ち直す。


「はい。雨には、植物にとって天敵となるウイルスや病原菌が含まれているんです。だからそれから身を守らなきゃと焦るんですよ」


説明すると、彼は近づいてきて私まで傘に入れてくれた。
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