激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
あの人のすごいところは、仕事が驚くほど早いこと。

俺が打診してから店に依頼を出すまで、おそらく三時間もかかっていない。
そのフットワークのよさを俺も見習いたいと思っている。



二週間後。

宮城グループの専務室で今後の戦略を練ったあと、会議に行くという宮城さんとともに廊下に出た。

すると、重森さんがエレベーターホールのフラワーアレンジの作業をしている最中で、少し離れた場所でふたりとも足が止まった。


「彼女、楽しそうに花を生けていくね。手際はいいし、前にお願いしていたところとは比べ物にならないほど華やかに仕上げてくれる」

「はい。センスがいい上に花を愛していますからね。花も彼女に生けられたいのでは?」

「なるほど。花が彼女を選ぶのか……」


俺は宮城さんと話をしながら鼻が高い思いだった。
無論、俺はまったくなにもしていないが。


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