激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
この車、いくらするんだろう。
シートは革張りだし、車内も広い。

こんなことが気になるなんて思いきり庶民だな、と彼との間の壁を感じる。


「ここです」
「了解」


すぐに見えてきたファミリーレストランを指さすと、宝生さんは小さくうなずく。

彼はハンドルさばきがとてもうまい。
狭い駐車場にも難なく停めた。


「実はニューヨークに行っていて、さっき帰ってきたところなんだ。日本の繊細な味が恋しくなっているから、早く食べたいな」


車から降りた私を自然な動作でエスコートする彼がそう口にするので、目を丸くする。


「それならもっとちゃんとしたレストランのほうが……」


まさか、久々の日本食だなんて考えもしなかった。

でも、海外に行っていたから連絡がなかったとわかり、ホッとしている自分に気づく。


「ここで十分だよ。気遣い、ありがとう」


彼は私を安心させるためか優しく微笑み、席に促した。

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