激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
板垣さんの一件で嫌な思いはしたけれど、素敵な人と出会えたと神さまに感謝したいくらいだった。


「本当にありがとうございました。ル・ブルジョンを辞めるという話になったとき、店長の前では平気な顔をしてましたけどすごく悲しくて。苦しくて……」


あのときのことを思い出すと、胸が痛くて声が震える。

すると、宝生さんはテーブルの上の私の手をそっと握った。


「それだけ仕事に真剣に打ち込んできた証拠だよ。あの場で俺が板垣さんにもっと強く注意すれば重森さんを苦しめなくてもすんだかもしれないのに」


私は首を横に振った。
クライアント相手に、くぎを刺してくれた彼には感謝しかない。

しかも、事が大きくなったと知り、社長に抗議までしてくれたのだから。


「板垣さんの会社との取引は大丈夫なんですか?」


もしかして、うちみたいに取引停止になってない?
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