激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「宝生さんが倒れたら、私、心配で眠れなくなりますから。私の睡眠のために休んでください」


そう伝えると彼の頬が緩む。


「ありがとう。そうするよ」


立ち上がった私にコートを着せてくれた彼は、私の腰に手を当ててさりげなくエスコートしてくれる。

海外経験も豊富なのか、女性の扱いがとびきりスマートだ。

「それじゃあ、送るよ」
「お願いします」


駐車場に足を進めていると、彼はふと立ち止まった。
そして一点を凝視したまま動かない。

その視線をたどると、色白の華奢な女性がいた。
サラサラの黒髪が印象的で、品も漂っている。
良家のご令嬢という感じだった。


「加代(かよ)……」


小声で彼が女性の名をつぶやいたのを拾ってしまった。

しかも呼び捨てだったため、ただならぬ関係を疑う。


「宝生さん?」
「あっ、ごめん。行こうか」
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