激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
駐車場にはそのまままっすぐ進めばいいはずなのに、彼は別のルートに足を進める。

私と一緒にいるところを見られたくない? 
あの人は、宝生さんの想い人?

彼女のことが好きなのに別の男性と恋をしていて苦しいとか、付き合っていたけどケンカでもして別れてしまったとか……。

それで、自暴自棄になって私とお見合いをしたんじゃないかなんて勝手な想像が頭の中を駆け巡る。


彼女を見かけてから黙り込みニコリともしない彼に、私は激しく動揺していた。

車に乗り込んでから、息苦しいような空気を打破したくて話しかけたものの、彼は気もそぞろで会話がまったく弾まない。


「宝生さんはなんの食べ物がお好きですか?」
「とくには……」
「そう、ですか」


だから私もそのあとは黙っていた。


アパートの前で車を降りると彼も降りてきた。


「お疲れのようですから、ゆっくりしてください」


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